太鼓梁・・・釿(ちょうな)と曲面鉋(かんな)

お客様から、昔の面影を残したいと言われ、今まで住まわれていた築100年の家の材を一部に使う事に
しましたが、全て古材という訳にはいきませんので、新しい材も使いながらの新築とさせていただきました。
太鼓梁は、5年ほど天然乾燥させた桧とタモの木を使うことにしました。太鼓梁というのは、丸太の両際を落とし
断面が太鼓のような形にした梁のことです。それを昔は、釿(ちょうな)一本で、仕上げまでしていました。
左上の写真が釿です。刃先の研ぎ方で、仕上げの表情が違います。最近は、ほとんど使われなくなりました。
すべてを釿仕上げするのは大変ですし、そこまでは必要とされていないので、今回は、鉋(かんな)仕上げと
併用することにしました。曲面を仕上げる鉋は、台の部分も曲面に馴染むように、大工自身が作っています。
今では、曲面用の電気鉋も出ていますが、仕上げは、手鉋にしています。特にタモのような堅木は、手鉋で
仕上げると光沢が出てきます。

釿(ちょうな) ←このHPに詳しく書かれています。   こんな感じで、削ります。
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鉋(かんな)も台の部分が湾曲しています。        細い面を仕上げることにしました。
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今では、電気鉋も曲面用があります。           手きざみの時は、とっておきのノミを使います。d0019350_13382321.jpgd0019350_13384933.jpg
最近は、プレカットといってコンピューターでの加工が多くなりましたが、昔ながらの墨つけや手きざみは、
大工の技能を継承していく上に必要なものだと思います。
私も最近では、鉛筆より重いものを持ちませんが、それだけでは、家は建ちませんからね。
再築←家の出来上がりは、こんな感じになります。      駿河工房 今井
by surugaki | 2005-11-15 16:10 | 建築 | Comments(6)
Commented by kazuo-nakazato at 2005-11-15 21:27
建物に伝統を残すのに、やはり伝統のある道具や大工の技が必要なのですね。
私のところでは太鼓梁を使うことがまったくと言っていいほどありません。
Commented by tokyomachiya at 2005-11-16 00:31
以前、民家移築して蕎麦屋にしたとき、足りない梁を釿がけでつくっていただきました。
大工さんは、久しぶりで楽しかったけど、もうこりごりって言っていました。
Commented by surugakinoienix at 2005-11-16 07:25 x
中里さん、うちでは、プレカット部分と手きざみを併用するようにしています。意匠、構造に幅が広がりますので、
お客さまへの対応力がアップしますし、独自の木架構を考える上にも役立っています。
Commented by surugakinoienix at 2005-11-16 07:34 x
迎川さん、確かにそうですね。でも、先人が刻んだ物をみると勉強になります。現場で不要になった古材梁や
古い家具もストックして、再生しています。お陰で以前の営業所が倉庫になってしまいました。
Commented by hinata_gkc at 2005-11-16 20:24
僕もちょうな仕上げが好きで以前はやっていました。
最近では電動鉋でちょうな仕上げっぽく仕上げてもらっています。
荒々しいですが結構いいですよ。
だいたい赤松のタイコ梁をちょうな仕上げとしています。

古材に見せるために塗料を塗りますが、ウォルナットの色を塗ると
古材と見分けがつかなくなりますよ。(塗り方にもよると思いますが…)
Commented by surugaki at 2005-11-16 23:32
私は、色が違っても塗らないこともあります。民芸調になるのが、嫌だからです。同じ感じに仕上げる場合は、
最近では、蜜蝋ワックスを使っています。昔は、コールタールを薄めて塗っていました。
今では、化学物質ということで、嫌われるかもしれませんが、私が設計した自宅の家具にも
塗ってあります。もう26年間、毎日使っていますが、味わいが出てきて気に入っています。
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